メガフロートQ&A
1. メガフロート計画の勧め
1.1  メガフロート計画の勧め

メガフロートの研究開発は、平成7年に造船・鉄鋼有力17社により設立されたメガフロート技術研究組合を中心に進められ、フェーズTと呼ばれる平成7年から平成9年の期間にはメガフロートの設計・建造に係る基礎基盤技術の確立を、フェーズUと呼ばれる平成10年から平成12年の期間には空港等建設技術の確立を目指した実証実験が行われました。その結果、平成13年3月に国土交通省内に設置された検討会において、メガフロートが4000m級の浮体空港として利用可能であるとの結論が得られました。
 上記の他にも、浮体式防災基地の調査研究や情報化の進展により急増するバックアップ需要に対応するための情報基地機能実証実験等の実施により、メガフロートの有用性が確認され、様々な用途へのメガフロート実用化の可能性が広がっています。

(1)埋立工法との比較
 近年、埋立工法については、環境意識の高まりにより沿岸域での埋立適地の確保難、開発の沖合展開による大水深化でのコストアップ等が指摘されています。浮体工法にすれば、海岸(砂浜)は保存され、潮の流れも確保され、環境への影響を少なく出来ます。
 浮体の建設費について、概算ですが、水深10〜20m程度で埋立より安くなる可能性が有ります。海底地盤の土質が軟弱地盤層の場合にはもっと浅い水深でも検討対象になると考えています。

(2)浮体の特徴を活かせる
 発想を変えて、在来の工法では適用出来ないが、浮体であれば実現可能、あるいはより望ましい計画になるケースです。例として、

・移動性 :地震に強い防災基地に
・短期利用:港湾施設建設計画での一部施設の早期、仮使用(埠頭など)
・話題性 :海上公園など

1.2 メガフロート技術

Q:メガフロートとは何が新しい技術なのか

メガフロートは、従来の海域を消滅させる埋立工法と異なり、海洋の表面を利用して浮体構造物を結合して任意形状の人工基盤を建造する創造的技術です。この技術の根幹となるのは、(1)浮体ユニットの洋上接合技術、(2)弾性応答解析技術です。
 (1)の洋上接合技術は各地の造船所にて製作された浮体ユニットを現地の洋上において次々と接合し、数kmオーダーのメガフロートを建設する技術です。特に、海面下にある接合面を圧気工法により空気中と同様の環境下で急速、確実な溶接が出来る技術の確立は画期的なものです。本技術の開発により、各地の造船所で並行して浮体ユニットを製作し、えい航により現地で短期間で接合することが可能となり、工期短縮や工費節減に大きく寄与することとなりました。
 (2)の弾性挙動とは一般の船舶のような剛体としての挙動とは異なり、浮体そのものが弾性体として挙動することで、波のエネルギーを吸収してしまうものです。その弾性応答解析技術の開発により、巨大な浮体構造物の設計が可能となり、また、弾性挙動による動揺、振動等を正確に把握することで、メガフロート上の各種施設の機能性を保証することができるようになりました。

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