2022年5月10日から12日までの3日間、米国ミシガン州アナーバーにおいて国際水槽委員会(International Towing Tank Committee、ITTC)のCFD/EFD連携手法専門家委員会、第2回会合が開催されました。(第1回会合は2021年12月開催)
日本造船技術センターはLESをはじめとする最新のCFD技術および経験豊富な水槽試験技術に係る実務的な知見を活用することが期待されており、今期(第30期、2022年-2024年)のCFD/EFD連携手法専門家委員会には、日本代表として試験センター 技術部部長代理の新郷が参加しています。本専門家委員会は、米国、オランダ、英国、ドイツ、中国(2名)、フィンランド、日本、イタリア(2名)、韓国の9か国11名のメンバーで構成されており、今回は対面(Face)6名、オンライン4名による会議となりました。
ITTCは、世界各国の試験水槽で構成され、専門家委員会においては、当該分野の専門家が参加し、協力しながらガイドラインや推奨手順の策定といった技術基準を定める活動をしています。CFD/EFD連携手法専門家委員会では、数値流体力学(CFD)と水槽試験(EFD)の両方を連携させ、各々単独で用いる場合よりも効率的で精度に優れる性能推定手法を検討し、ガイドライン等の策定を通じて実用に供することを目標に活動しています。
これまで、前期(第29期)においては、抵抗試験結果(EFD)とCFDで得た形状影響係数の推定結果を連携させ、実船パワーカーブの推定精度を向上させることができる旨報告され、CFD/EFD連携手法の有効性が具体的に示されました。また、船舶CFDの妥当性/計算精度検証と品質保証に係るITTCの推奨手順を改訂し、CFD計算の品質保証をBest Practical Guideline(BPG)に基づいて実施する手法が提案されています。
これを受けて本会合では、今期(第30期)の具体的な活動内容として、船舶CFDの妥当性/計算精度検証とCFD計算の品質保証について、ITTCメンバーへのアンケート実施とCFD/EFD連携手法の新たな応用として、伴流の尺度影響推定を対象とする事を決定しました。
なお、今後は2023年3月にイタリア、2024年3月に韓国での開催が予定されています。
会合が行われたミシガン大学
(試験センター)