令和5年3月1日(水)に開催された、文部科学省「『富岳』成果創出加速プログラム」の一課題である「『富岳』を利用した革新的流体性能予測技術の研究開発」のシンポジウムで当センターの西川課長が講演し、パネルディスカッションにも登壇しました。
今回の第3回「富岳」流体予測革新プロジェクトシンポジウムは東京大学生産技術研究所 コンベンションホールとWebex Webinarsによるハイブリッド形式で開催され、民間企業109社からの参加者を含め、246名(含、現地参加24名)の方々の参加がありました。
シンポジウムでは自動車、ターボ機器、船舶等を専門とする大学教授や各産業界のエンジニアを含む8名がスーパーコンピュータ「富岳」を利用して得られた最終成果と今後の展開について講演し、これらの講演を踏まえて、シンポジウムの最後に「『富岳』を利用したものづくりと今後の展開」と題したパネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、実証研究成果への期待とその実用化に対する課題が議論され、プロジェクトで得られた成果の社会実装を加速するために有益な意見交換がなされました。
当センターの西川課長の講演は、船舶CFD(Computational Fluid Dynamics)の歴史に始まり、2011年からスーパーコンピュータ「京」を使って行ってきた東京大学との共同研究の内容、2021年から本課題でスーパーコンピュータ「富岳」を使って行ってきた研究開発の成果、そして最後に今後の研究開発の方向及び現在の技術の実用化に関するものです。
当センターでは10年以上前から数値シミュレーションによる曳航水槽試験の代替技術に関する開発を行っており、その基盤技術はほぼ完成しています。コスト的にはまだ、数値シミュレーションの方が高くなるため、代替はされていませんが、現在は(一社)ターボ機械協会や国内造船所、CFDベンダと共同でシミュレーションの利点を活かした本技術の活用を進めています。企業の製品開発などでも研究的要素があれば「富岳」が無償で使えますので、我々との共同研究にご興味のある方はご連絡頂ければ幸甚です。
参考:シンポジウムのプログラムは、以下でご覧いただけます。
https://www.fugaku-pj.iis.u-tokyo.ac.jp/event/230301_sympoNo3.html
問合先:一般財団法人 日本造船技術センター 技術開発部 TEL:0422-40-2824
講演の様子
(技術開発部)