メガフロートの特徴
メガフロートの構成と構造
メガフロートの動揺特性
漂流防止策
地震対策

動揺特性

 メガフロートは、海の中に建設されますから、当然波を受けます。この波の中で、揺れて船酔いしないかという疑問をお持ちの方も多いと思います。しかし、メガフロートは、その名前のとおり、巨大なるがゆえに揺れません。一般に、小さな船より、大きな船のほうが揺れないことは、皆さんも経験されていることと思います。これは、波長に比べ浮体の長さが長いほどたくさんの数の波を受けるため、持ち上げようとする力と引き下げようとする力が、互いにその力を消しあってしまうからです。そのため、メガフロートでは、波による上下動も回転も起こりません。

 それでは、メガフロートは、まったく動かないのでしょうか。実は、ほとんど感じないのですが、ひそかにゆっくりと震えています。メガフロートは、鋼鉄でできていますから、バネのようにしなやかです。波は、海の水が振動している現象ですから、波の振動は、メガフロートに伝わり、メガフロートもそれに応じて振動するのです。我々はこの現象を弾性応答と呼んでいます。これは、ちょうど超高層ビルが、地震のエネルギーをそのしなやかさで吸収してしまうのに似て、メガフロートは波のエネルギーを、そのしなやかさで吸収してしまうのです。 この原理は、以前からわかっていたことなのですが、水に浮かび水とともに動くメガフロートの動きを正確に把握することは、空中にある超高層ビルの動きよりもはるかに複雑で、これまでは計算できませんでした。しかし、メガフロート技術研究組合では、このための技術開発に多くの時間と労力を投入し、今では国際空港もできるほど大きなメガフロートの計算までできるようになったのです。コンピュータのめざましい進化のおかげでもありますが。下の図は、右斜め方向から波がきた場合のメガフロートの動き(振動の様子)を計算した結果の一例です。防波堤の影響も計算されています。

動揺計算結果
 下の図は、1000m級のメガフロートと、5000m級のメガフロートの動き(振動)を比較し模式的に表したたものです。このまったく大きさの異なる2つのメガフロートの中央部(図中の点線丸印部分)の振動の程度を可視化した図を下に示しています。ほとんど両者に差がないことがわかります。
2浮体での振動比較
上下動揺グラフ
 上図は有義波高1m当りのメガフロート中央部での振れ幅の計算例です。波高1m周期7.5秒で約4cm程度です。台風直撃時でも、たとえば東京湾では、波高が2mくらいなので、この振れ幅は、4cm×2で8cmくらいであることがわかります。メガフロートの振れの長さ(波長)は、およそ200m程度であることがわかっています。したがって、振れの傾きは、(8÷2)/20000=2/10000と非常に小さい値です。
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